引用

最近見たのからいくつか

霜月はるか『空蝉ノ影』から ただひとり 夢に迷い 誰にも愛されず闇の中朽ちるだけ それは楽園? 流れゆく時を越えて 幾度となく剣交えても 望む朝は来るのでしょうか? 『定家八代抄』から 大空の 月の光し 清ければ かげ見し水ぞ 先づこほりける (古今・冬・…

新作文宣言 (ちくま学芸文庫)作者: 梅田卓夫,服部左右一,清水良典,松川由博出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/02メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る おそらく彼は、書いているあいだ、この文章を「評論」とか「エッセイ」とか、著述の仕…

ひろった

いつも行く図書館には、「ご自由にお持ち帰りください」のコーナーがあって、行くたび覗いている。 先日、『死の淵より』という詩集(の普及版)をそこで拾った。高見順の作。 はじめて読んだ詩集だ、これは。小学生の時。二年生だった。母が渡してくれたのだ…

吉野弘『雪の日に』

雪がはげしく ふりつづける うわべの白さで 輝きながら うわべの白さを こらえながら 雪は 汚れぬものとして いつまでも白いものとして 空の高みに生まれたのだ その悲しみを どうふらそう 一部抜粋。 電車の中で読んだ詩。ハッとさせられる。ぜんぜんそんな…

菅 浩江『永遠の森 博物館惑星』 早川書房

シーターはまだ静止していた。 ロブはどこか遠いところで考えた。 あの掌はもらう形ではなく、捧げる仕草でもあったんだ。 彼は胸の前で享ける形に手を作り、舞台の上に笑みかけた。 「Ⅳ.享ける形の手」より。 昨日、突然「そうだ、『博物館惑星』を借りに行…

天下大動乱を生きる知恵!!

不朽の漢王朝もあえなく瓦解、人は何を頼りに生きるのか?! 無力化した儒学に代わり、人間本然の姿と魂の救済求め盛行する老荘思想!! 建安七子、竹林の七賢、術者、皇妃の世界を描く。初の現代訳『魏志倭人伝』収録!! 「中国の思想 第4期」『三国志V 不服従…

(中略)人間は外的世界に過度に従順になることで、自分の内的世界を抑圧することもある。もし人間が外的世界を、自分の個性を十分に発揮する場所ではなく、単に適応すべき場所と見なすならば、その人の個性は失われて、人生は無意味なもの、あるいは不毛なも…