新作文宣言 (ちくま学芸文庫)

新作文宣言 (ちくま学芸文庫)

おそらく彼は、書いているあいだ、この文章を「評論」とか「エッセイ」とか、著述の仕事上の「作品」などとは意識していなかったのではあるまいか。自分の愛するベースボールのことを<作文>する歓びでワクワクしていたにちがいあるまい。
 (…)それこそ文章の生命であり、万人が共有しうることばの恩恵である。
 そして著述のヒエラルキーの最高段階にランクされた文学でさえ、ほんとうの文学たりうるためには、じつはこの始原的な書く歓び、読む歓びがあふれていなければならないのだ(たとえ内容がどんなに暗い、深刻な作品であってもである)。

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