もみぢ葉のわかれ惜しみて秋風は今日や三室の山を越ゆらん 紀貫之

本を開いたら、最初に目に飛びこんできたのがこの歌だった。妙に涙ぐんでしまった。


梢の近景を映す上の句から山全体を納める下の句へ。きっと山は紅葉も終わりの頃で、梢と別れたもみじは次に川の流れを紅く染め上げるのだろう。「三室の山」は龍田川に面した山らしい。