今日買った本

柳瀬尚紀『翻訳はいかにすべきか』(岩波新書、今月のアンコール復刊)
清水好子紫式部』(岩波新書、緑版)
書店を六軒周って購入。どちらも新刊ではなく古参の本だから、入荷の優先度が高くなかったのかもしれない。
帰りの電車で『翻訳』二章の途中まで読む。代名詞の多発や辞書の訳語をそのまま使うという問題が指摘されているのを読んで、高校の英語の先生も和訳について同じ事を言っていたな、と思い出して浸んみりした。
和歌や古文を現代語訳するにはどうすればいいか、そもそも現代語訳できるのかとか考える。和歌ではないが詩の翻訳についてボルヘス『詩という仕事について』(岩波文庫)が一章を割いているので併せて読む。
古文や和歌に限っていえば、原文を読むのと訳文を読むのは違う経験だと思っている。何の但し書きも付けずに「源氏物語を読んだ」といえるのは原文で読んだ人だけだ。もちろん、そもそも中古、中世の文章の「原文」なんて誰も読めない(存在しないから)という話は措く。『翻訳』を読むうちにこの考えは変わるかもしれない。