『夢見る水の王国』について

購入したのはずいぶん前だけどまだ上巻も読み終わってない。まあゆっくり読みます。
なんとなく、この本はカバンへ入れて電車で読む気にならない。書名通り、夢を見る時間に、暗い部屋でこっそり読むべきなんじゃないか。その方がきっとこの本は輝きを増す。本文を形作る短い節のひとつひとつが、光を反射する一欠片だからだ。
本文は章で分かれていて、章はさらに節で細かく分かれている。見出しが新書並みの頻度でついていて、場面がぐるぐる転換する。連載の都合かと思ったけど、それにしては短すぎる節長い節がある。連載一回分、ということではないだろう。細かく分かれてはいるけど、受ける印象は「細切れ、ぶつ切り」というよりは「目眩く、きらめく」の方が近い*1…うん、なに言ってるのかわからないね。読んでいるうちに、大小さまざまの欠片を、手ですくい上げてまき散らす、そんなイメージが浮かんだ。そう思いねえ。

*1:「めくるめく」て漢字でこう書くのか。変換して初めて知った。字がイメージに近いので漢字の方を使う